アジアン・アジール5:アジールはとどまらない
(バンコク)

地方都市に目を向ける

HKG(香港)、SGN(ホーチミン)、PNH(プノンペン)、BKK(バンコク)と来たところでこれまでを振り返ってみる。香港は別格なので外すとして、発展の具合はタイ>ベトナム>カンボジアといったところ。ところが「安さ」がその逆かと言うと案外そうでもなく(現地をよく知っていれば別として)、どこもそれほどは変わらなかったりする。外国人価格みたいな事情もあるのだろう。
そうするとやはりタイは快適かつ安く(長く)いられる滞在先、つまりアジールとしてもポイントが高いかなという印象はある。

あるいは多分、国で分けるより都市それぞれで考えた方がいいのかもしれない。これまでは主に首都とビーチを回ったわけだけど、そうではない(有名観光地ではない)地方都市で、長期滞在や移住に向いた場所がいろいろあるようなこともちらほら耳にした。ここはCTM(地方都市に目を向ける)のがいいかもしれない。今後機会があればそういうところも見てみたい。

KTK(腐ってもタイ・カオサン)

バックパッカーのメッカ、カオサンが昔に比べて魅力がなくなりつつあるのはたしかだと思う。そもそもレストランが高くて気軽に入れないし、全体的になんかお膳立てされているというか、観光化・大衆化しすぎている。それでも、これだけの歩行者天国エリアはなかなかないし、分け入っていけばそこここに独特の味を残している。

そんなことを考えつつ、カオサンエリアの有名日本人宿であるNAT2に泊まってみた。これまた予想以上のコストパフォーマンス。ていうかキャピトルに似てる。安くてミニマムながら必要十分な個室が200バーツ(600円強)。しかし、キャピトルと似ているのはこれだけではなかった。

謎の騒音再び

今回も通りに面した部屋だったが、なんとキャピトルと同じことが起こった。今回は深夜3時~5時頃。またたて続けにやたら騒がしい、というか静寂な中突然鋭く大きな音が鳴るのでびっくりさせられる。何かを叩きつける音、バイクの空ぶかし等、1~2回ならまだしもひたすら繰り返される。

翌日は部屋を通り沿いから内側の方へ変えてもらった。これでさすがに大丈夫だろう。しかし、今度は驚いたことに隣室からだ。はじめは空室だったのだが、後から日本人二人組みが入ってきたようだ。深夜2時すぎ、音楽をかけ声をひそめることもなく話をしている。頻繁に部屋から出て、また部屋に戻り、その際に思い切りドアを閉める。これに叩き起こされた。

有無を言わせないプレッシャー。
SGI(すごい)!としか。
音に意図が完全に表現されている。
さすがに文句を言いに行った。

隣人は部屋を見られるのを恐れるかのように、少しだけドアを開けた。険しい顔をした30前後の男だった。もう一人はドアのすき間が狭いため見えない。こっちが来るのは意外だったのだろうか、しらばっくれることもせず即謝ってきた。そしてすぐにドアを閉めた。

それにしてもどうやら僕は有名日本人宿とは相性が悪いようだ。
(*ほんと、この現象についてご存知の方がいたら教えてほしいです)
なお普段はやはりお勧めのゲストハウスである。

アジールはとどまらない

結局、こここそは!という場所は見つからなかったようでもあり、一方でどこでもそれなりに快適にやっていけそうでもある。もちろんまだ行ってないけどよさそうなところもたくさんある。
どこか場所を決めてアパートを借りたり職場を決めたりして本格的に長期滞在というのもやってみたい気もするが(それ以前に基本的に全然日本を離れられないわけだが)、そこで何かあってもそう簡単に動けなくなってしまうし、今の段階ではまだ様子を探りながら、動きながらの方がよさそうだ。

というより、そういうゆるやかな移動の中、旅そのものの中にアジールはあるのかもしれないな、と今回ふと思ったのだった。

カウンターに陳列されてる猫