洋書の児童書8選:楽しみながら英語学習できる本

Photo by William Creswell

英語学習の一つに、やさしめの英語をたくさん読むという「多読」がある。そうすることで自然に、文法や語彙が身につくのだ。

英語学習者のために語彙を調整して短めに書かれた「グレードリーダー」「ラダー」などをある程度読んだ後にぴったりなのは、子ども・ティーンエイジャー向けに書かれた児童書であり、このジャンルはとてもよい作品が多い。というのは本格的な文学ということになると語彙や文法だけでなく内容まで難解になることが多いのに対して、児童書は子ども向けにわかりやすく、楽しめるように書かれているからだ。
そこで、僕が読んだことがあって面白かった児童書・平易な洋書を紹介しようと思う。

Sideways Stories from Wayside School
Louis Sachar

ナンセンスコメディ。英語はグレードリーダーなみに簡単。子ども向けだけど、お笑い好きの大人が読んでも決して子どもっぽくはないという守備範囲の広さ。人気が高いらしく、続編がいくつか出ている。

The Alchemist
Paulo Coelho

元はポルトガル語で書かれていて、これはその英訳ということになる。昔好きで何度か日本語で読んでいたので、すんなり読むことができた。英語で読んでいると気のせいか、なにかありがたい秘密(?)でも知ったような気分になってくる。例えば
"The dunes are changed by the wind, but the desert never changes."
みたいのとか。

Master of the Game
Sidney Sheldon

児童書ではないけど、平易で短いセンテンスのためかなり読みやすい。そして、これほど平易な文でも物語を進めることができるんだ、という驚きがあった。話もとてもテンポよく進んでいくし、ダイナミックでもある。ただ、最後まで読んで、いろいろあったけど、結局なんだったんだろう?という物足りなさもあるかな。

Harry Potterシリーズ

1:Harry Potter and the Philosopher's(Sorcerer's) Stone
2:Harry Potter and the Chamber of Secrets
3:Harry Potter and the Prisoner of Azkaban
4:Harry Potter and the Goblet of Fire

シドニー・シェルダンの後に読んだせいか、まず感じたのは言い回しが面白いということ。後から知ったけど、作者のJ. K. Rowlingはストーリーテリング(話の運び方・描写)にとても定評があるのだった。邦訳は翻訳でなく通訳の方によるものなので、ハリポタの本来の面白さを味わえるのは英語学習者の特権かもしれない。
1~4まで読んで、その後1~3まで再読した。最初は2がすごく面白くて、まさに手に汗をにぎりながら読んだ記憶がある。2周目では1がすごく面白いと感じた。さすが人気を決定付けた第1作目だと思った。3はシリーズ最高傑作と言われたりするらしい。たしかに派手ではないながら、人物の印象が後半ガラっと変わり、ミステリーの玄人好みな感じ。4から本格的な展開になり本自体かなり分厚くなる。最後まで読みたい気もしたけど、興味もいろいろ移ってきたこと、長いのが疲れることなどあって、ここで止まっている。

Holes
Louis Sachar

超有名。読む前から期待した。この頃になると児童書がだいぶ楽に読めるようになっていたのも手伝って、実際すごく面白かった。しばらくして再読、初めての時と同じくらい面白かった。初回は気がつかなかったところの意味がよくわかったのだ。3回目、まだまだ新鮮だった。結局、何冊かに1回はこの本に戻ってきて、合計5回くらい読んだ。最初は文字通り存在感のない「ゼロ」、曾曾おじいさんの「なんだそりゃ」なエピソード、オニオンサムのやるせない話、スタンリー砂漠のサバイバル、どれもが引き込まれるし、さらにそれらが全部つながってくるという怒涛の後半。ほんとうに楽しみながら読んだ本。

The Giver
Lois Lowry

とても考えさせられるテーマのSF。オーウェルの「1984年」に似ている。児童書のわりに残酷さや性的な描写もあり、学校で禁止になったところもあるとか。まあこのコミュニティは極端としても、社会というのは多かれ少なかれいびつなところがある、というのをうまく反映していると思う。

Charlotte's Web
E. B. White

壮大なテーマも大冒険もない、美女もヒーローもお色気もない、隠された秘密も謎の人物も出てこない、それでも読んでいて、読み終わって、良質のお話に出会ったという感覚がじんわりと残る。これも何回も読んだ、Holesとならぶお気に入りの洋書。

There's A Boy in the Girls' Bathroom
Louis Sachar

ルイス・サッカーの奥さんの要素がカーラに入っているとか。魅力的な人だけど、へそ曲がりのブラッドリーは嫌われることばかりしてハラハラする。後半は別の意味でハラハラする。ところで、泣けるセリフというのはいろいろあるけど、僕の知る中では最短記録(文字数が)はこの物語中のセリフで、それは今だに破られていない。

児童書がある程度楽に読めるようになってからは普通の小説に手を出すことになるんだけど、たいていは言葉・内容ともに途端に難しくなって、和訳を平行して読みながらでないと読めなかったりした。そんなわけなので、原書で読むのであれば、児童書が一番楽しい読書体験だったように思う。