映画アラジンに見る即興マインド

Photo by JD Hancock

(ネタバレあり)

かなり久しぶりに観た。すでに2~3回観ていたけどよく覚えていないシーンも多くて、かなり楽しめた。
どのシーンも魅力的だけど、今回新たに印象に残った一つは、アラジンが、最強になったジェファーに向かっていく時のセリフ、

I'll improvise (出たとこ勝負だ)

ってところ。
インプロって言葉が光る場面だった。

この時、悪役のジェファーは最強の魔法使いになってしまって、頼みのジーニー(ランプの精)もいないどころかジェファーの手に渡ってしまっていて、ジャスミンも捕らわれているという最悪の状況。まあふつう、なにかいい作戦みたいなものがあってしかるべきというか。
ところが、ジーニーから「手伝えないんだ(どうするの?)」みたいに聞かれて、上のセリフを言う。本当に何も考えていない。もうその場の臨機応変でやっていくというドブネズミ式のやり方なのである。

僕は以前、インプロ(即興演劇)というのをやっていて、そこで学んだ大事なことの一つが、その臨機応変というか、準備しすぎたり考えすぎたりせず、その場の興に即して行動するということだった。それは今という瞬間に生きる姿勢なのだ。

ジーニー役のロビン・ウィリアムズも一時期インプロをやっていたので、その影響があったりするのかも。彼はこの映画のアフレコでアドリブを連発し、それが質・量ともに素晴らしかったため、ジーニーのキャラクターは最初の予定から変わってしまったほどと言われている。それが現場の人々にも感染して「即興すげえ!」みたいなことになって、監督かシナリオライターかアラジン役の声優か誰かが、最後の対決は即興で行こう、というノリに動いていった、というのはもちろん勝手な想像ではあるけども、ありえない話でもないような…。

フィクションのセリフは、時として作り手の考え方が反映されていたりもするので、こういういい映画を作る人たちの姿勢の中でも、きっと即興は大事な要素に違いないのだ。